衆議院議員
静岡県第7選挙区
城内 実

活動報告
国家国民のための信念を貫く男 信念

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ACTIVITY

☆お知らせ☆ 藤原正彦先生との対談(前編)一挙公開!!

2008.06.13 お知らせ

 藤原正彦先生との対談(前編)を「城内実関連文章等」に追加しました。以下をクリックしてご覧になって下さい。
逓信『耀』6月号、藤原正彦vs城内実、日本人が自信と誇りを取り戻すために 国柄、美しい自然は心のささえ
なお、PDFファイルにてご覧になれない方のために、文章を下に貼り付けました。長くてごめんなさい。みなさんのご意見お待ちしております。あと政治ブログランキングのクリックもあわせてお願いします。

 

対談
『国家の品格』の著者
藤原正彦 お茶の水女子大学理学部教授
城内実 前衆議院議員・拓殖大学客員教授
「日本人が自信と誇りを取り戻すために 国柄、美しい自然は心の支え」
小泉・竹中構造改革路線を問う

 

城内 今日の話の中心は、小泉・竹中構造改革路線は一体何だったのかになろうかと思います。振り返れば、目茶苦茶な郵政解散選挙で、小泉チルドレンが大量に当選して衆議院で自民党が三分の二以上を占め、郵政民営化法をはじめ重要法案を強行採決で通しました。今回の後期高齢者医療制度もその流れです。しかし、今だに小泉待望論が根強いのが不思議です。

藤原 そこです。国民につける薬はありません。

城内 自分で自分の首を締めるような選択を先の総選挙でさせられておきながら、まだ気がつかない。

藤原 私は、テレビ出演はほとんど断っていますが、たまたまお付き合いで出演したテレビで、今の日本人を「我が国史上最低の国民」と言ったのです。そうしましたら、もの凄い反響があり、「よくぞ言ってくれた」というのが大多数でした。

城内 猛反発されたのかと思いましたが。

藤原 良識ある人は分かっているのです。

城内 小泉・竹中構造改革の路線について話を伺います。私はいろいろな機会に、この構造改革はインチキだから、改革を片仮名でカイカクと言っています。また、オウム真理教、イスラム原理主義をもじって、「カイカク真理教」、「カイカク原理主義」と称しています。また、私が尊敬しているノンフィクション作家の関岡英之先生は、「改革」は英語で「リフォーム」だから、「リフォーム詐欺」と呼びました。まったくやる必要のない改革を国民を騙して行い、結局は国民にツケを回しているのです。小泉・竹中構造改革路線とは、一体何だったのか怒りさえ感じます。バブルのような小泉チルドレンたちによる強行採決で何でも法案を通しました。今ごろになって、「何でこんなことになっているのだ」と自民党の国会議員でさえも嘆いています。郵政民営化についても、良識ある議員が「何でこうなったんだ」と小泉・竹中さん達が宣伝した内容とあまりの違いに今頃になって気づいて、一生懸命勉強し始めたようです。

藤原 大体、気がつくのが遅いですよ。

城内 私も当時は森派でしたから、郵政民営化は世の中の流れとして当然なのかなと最初は思っていました。しかし、勉強すればするほど、株主主権の一私営企業ではなく、国民共有の公社のままにしておいた方が良いというあたり前のことに気がついたのです。
それでも国民は何か変えると思っても、まだ気づいてはいません。最近、私が言っていることは、民営化して市場に出せば早晩外資に乗っ取られるということです。百歩譲って民営化するにしても分社化の経営形態は最悪です。
私はやはり三事業一体の郵政公社の経営形態が最善と考えています。

藤原 公社でやっていくとまずいことでもあったのですかね。国家公務員といっても税金は一円も使っていない。何のために民営化したのか意味不明です。

城内 問題のすり替えです。民営化すれば税金をとれる、サービスがよくなるとの言に屈したのです。

藤原 あの時の国会は印象的でした。私もテレビを見ていましたが、安倍さんが土壇場の投票の時に、城内さんを本会議場の隅に呼んで説得していましたね。テレビがそれを追っていて、私もその時初めて城内さんの名前を知りました。安倍さんは本心はともかく立場上、郵政民営化に賛成せざるをえないと思っていましたが、城内さんは相当厳しい選択を迫られたと思います。それでどうなるかとテレビを見ていたら、城内さんは意志を通して反対票を投じた。その時から、私の家族全員、城内ファンになりました。
郵政改革をはじめ小泉・竹中構造改革のことを、リフォーム詐欺というのは素晴らしい表現ですが、私は一つの革命だと思っています。共産革命みたいなもので、いわば市場原理主義による革命です。リフォームというより、よくぞこれだけ日本を壊したなとの想いだけです。
ただ私は、小泉氏が憎いというより、国民が憎い、そして小泉・竹中両氏を徹底して支援したマスコミが憎い。その中でも許せないのは、解散総選挙で同じ党でありながら城内さんはじめ郵政民営化反対議員を公認しなかったばかりか刺客まで送り込んだことです。日本人の精神的支柱である武士道精神の中核ともいうべき、、相手を思いやる「惻隠(そくいん)の情」にまったく欠けたことをしたのです。さすがに当初はマスコミも「そこまでやるか」の論調でした。ところがきれいな女性や受けの良い候補者を送り込んできたので、今度はマスコミも批判するでもなく、劇場型のワイドショーのような選挙になってしまった。国民もそれに浮かれた。教育に良くないことが現実に行われたのです。
今まで党で一緒にやってきた仲間を、公認しないまではいいとして、刺客まで立てるとは言語道断です。こんなところを子供に見せたら、子供のいじめなんか無くならないのも当然です。それを国民が支援した。とんでもないことです。郵政問題も教育問題も本当に悪いのは国民で、よくぞここまで祖国ニッポンを壊してくれたと、国民は私にとって真の敵になってしまいました。
郵政民営化で成功している国はどこにもありません。他の構造改革と称するものもみな同じです。市場原理主義だって、それ一本槍で長期繁栄している国があるかというと、そんな例はどこにもありません。アメリカだってサブプライム問題で転び始めました。郵政改革は国民が支持した間違った革命なのです。

城内 郵政民営化にしても、このままいくとおいしいところはみんな外資に持っていかれてしまいます。結局、郵便事業という赤字体質の事業だけが取り残されて、国民の血税で賄わざるを得ないということになりはしないかと心配しているのです。ニュージランド、ドイツなど失敗例がいくらでもあるのにそれを学ぼうとせず、強行に押し通してしまいました。
もう一つ私が恐れているのは、やはりアメリカの圧力によって日本の国民皆保険制度が壊されないかということです。アメリカの社会問題になっているのは、銃と麻薬と医療保険です。そのアメリカですら、日本の国民皆保険制度を視野に入れる学者や政治家がいるほどです。それがアメリカ政府をバックに医療保険会社が規制緩和を迫り、規制緩和という美辞麗句のもとに医療分野に止まらず、他の分野も規制緩和しようとしています。諸外国で失敗した例がいくらでもあるのに、それに学ぼうとしないのです。

藤原 私が不思議に思うのは、そういった勢力が郵政民営化に関して城内さんたちと賛成、反対に分かれたのは分かりますが、その他の問題でも城内さんたちとは正反対の立場をとっているということです。医療改革しかり、教育問題しかりです。普通はデコボコがあって、あるところでは共感し、あるところでは志を異にするというものです。

城内 意識していませんでしたが、言われてみれば確かにそうですね。

藤原 それは祖国に対する想い入れの差かなと思います。
医療のことに話を戻しますが、二〇〇〇年のWHOの調査では、日本の医療は世界一位、アメリカは十五位でした。アメリカの国民一人当たりの医療費は日本の倍以上です。聞こえてくる話では、アメリカでは五千万人が保険に加入してないという。赤ん坊が病気をしようものなら自宅での看病で精一杯です。アメリカ人は日本人の半数は貧乏だから皆保険に頼らざるを得ないのだろうという。それはとんでもない間違いなのです。日本の国民皆保険制度が壊れるなんてとても信じられない話ですけど、「そんなにひどいことにならないよ」と呑気に構えている、実に困った国民です。
私の昔の同僚で、ペンシルバニア州立大学の教授をやっている人が私の家に泊まりに来たことがありました。彼の奥さんが喉の大手術をされたそうです。そうしたら、奥さんの入院代は一日二、三十万かかるのですぐに退院せざるをえませんでした。仕方なく病院近くのホテルに夫婦で泊まり、毎日ホテルと病院を往ったり来たりということになりました。ホテルも安くはないのでしばらくして自宅に戻りました。気管の病気で一晩中咳きこむものですから彼も眠れない。それで数学を教えるどころの騒ぎではなくなって、とうとう大学を一年間休職することになりました。その人は六十代の世界的にも有名な教授です。そんな人でさえ入院費、治療費は大変で、大学を休職せざる得なくなるほどなのです。もちろんその教授は保険に入っていました。ただ、保険にはいろいろな制約があって、ここまでは保険でカバーするが、これ以上はカバーできないという取り決めがあるのです。保険料もどこまでカバーするかによって違い、彼もかなりの保険料を払っていたにもかかわらず、いったん病気をすると医療費の自己負担は相当のものなのです。

城内 国民のための仕組みではなく、あくまでも保険会社のための仕組みなのですね。
私はまだ世界の三十数か国ほどしか訪問していませんが、間違いなく日本の郵政の郵便局ネットワークサービスは世界第一位であったし、あるいはまだかろうじて一位かもしれません。医療制度にしてもダントツの一位だし、治安も世界第一位だったはずです。それなのに不思議なのは、自らが壊し、折角の世界第一位の座を譲ろうとする。まさに悲劇というか喜劇です。

藤原 日本人が分かっていないのは、日本は世界の中で、非常に変わった特殊な国であるということです。医療にしても、外国がこれを真似して採り入れようとしてもほとんどやっていけません。たとえば、医者が金儲けに走ったら、頭が痛いというだけの人にCTスキャンなど高額な検査を片端からして何十万円と請求します。しかし、日本の医者はそれはしません。中には悪らつな医者もいることはいるけれども、ほとんどの医者はそうした利己心がないのです。そうした医者がいて、日本の医療制度が保たれてきたのです。
日本人は医者の人格を信用する。要するに医者は神様のような人という前提の下で皆保険が成立しています。これは日本にしかできません。会社の雇用にしても会社への忠誠心と引き換えに終身雇用する。これも世界にほとんど例はありません。また、郵政だってそうです。郵便局で働く人は、汗水たらして山奥のおじいちゃん、おばあちゃんのところへ行って、千円の貯金をもらってくる。中には、いろいろ人生相談にのってあげたりする。
日本というのは何もかもが特異な国で、日本人にしか適応できないやり方で何もかもうまくやってきたのです。ある意味では、日本は国柄だけでやってきた国で、他には何もありません。そうした特殊性を忘れて世界のスタンダードに合わせようとすると、日本のよさが全て失ってしまうのです。国柄を壊したら何もかも目茶苦茶です。
日本人は生物学的能力から言えば、中国や朝鮮と同じと思います。それなのに、文学にしても数学にしても理論物理にしても、日本がダントツに抜きんでています。ノーベル賞の受賞者を見ても明白です。それは、日本の特殊な国柄がもたらしたものなのです。

城内 私も先生の『国家の品格』を繰り返し読ませていただきました。その中で、インドの有名な数学者のラマヌジャン(一八八七?一九二〇)が青年時代を過ごしたクンバコムという小さな地域を訪れたところがあります。先生がその地をご覧になって、小さな地域だが、この地域からノーベル賞受賞者を何人か輩出したことに納得したと書かれています。やはり、世界的な学者、偉人を輩出する土地柄、国柄というものがあるのですね。
最近私はこの年齢になって、知識よりも、知性、感性、霊性を重んじるよう心掛けています。松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」という、この五・七・五の句の中に、日本の心のそこはかとない情緒を感じます。ある意味で言霊(ことだま)的なものがあるのではないか。目に見えない科学の限界を超えたものの見方、考え方に日本人独特の感受性の高さがありました。その感受性のアンテナが、どんどん曇り、鈍化、劣化して、日本人が内在していた良いものが失っていくような感じがしてならないのです。

藤原 霊性という言葉は非常に大切な言葉です。たとえば、日本人は昔から自然にひれ伏してきました。ところが西洋では、人間の幸福のために征服すべき対象としかとらえていない。そこが決定的な違いです。日本人は太古の昔から、人間は自然の一部に過ぎないと、常に平伏してきたのです。西洋の人間中心の非常に傲慢な態度に比べ、日本人は自然に対して常に謙虚な態度をとってきました。これも一つの霊性からきたものです。
先程、刺客を放ったことについて、測隠の情と卑怯を憎む心は武士道精神の中核です。武士道精神は鎌倉時代に禅が伝わり、そこに昔からある儒教、神道、そして、土着の風習が合わさってできたものです。それが不思議なことに、江戸時代に入って武士だけでなく、広く庶民にまで広まったのです。鈴木大拙氏が、日本に禅を含めて武士道精神が広まったことについて、「日本人的霊性のお陰だ」と語っています。つまり、卑怯を憎む心や惻隠の情は日本人に根づくべくして根づいたのです。縄文式時代から困っている人、弱い人はいじめてはいけないとか、他人を騙したり、信頼を裏切ったりしてはいけないということは、脈々と受け継がれてきたのです。太古の昔からの霊性というものがあってそれが国柄の基本となってきたのです。その基本がなくなるということは、日本が日本ではなくなってしまうことです。

城内 古事記や日本書紀を読んで気付いたのは、日本人の霊性の源流は、実は皇室にあるのではないかということです。「神国ニッポン」の中心は、皇室にあって「政事(まつりごと)」は皇室を中心に行われてきたのです。それが本来の国民、民草の幸せを祈るまつりごとを忘れて、どれだけカネを儲けたかとか、自分たちの勢力が何人増えたかという目先の利益に奔走する、実に下らないことに勢力を傾けて、行き詰まっているのが最近の日本政治の実態です。国会議員たる者、霊性に目覚めよといいたいですね。

藤原 確かに皇室は精神的支柱ですし、惻隠の中心です。日露戦争の後、日本は満州に日本兵ではなくロシア兵の慰霊碑をいくつも建てました。ロシアに日本兵は七、八万人も殺された。それほど憎っくき敵なのに、明治天皇はロシア兵戦死者を丁重に慰霊することを命じたのです。それから卑怯なことをしてはいけないと常に言ってきた。真珠湾攻撃の時、きちんと攻撃を事前に伝えるよう昭和天皇は再三おっしゃっていた。結局、外交官の不手際であんな形になってしまいましたが、天皇陛下は常に気高い霊性を持たれていたのです。それが段々国民が霊性ということを忘れてきて、国民の鏡となるべき国会議員までが率先して霊性を失っている。本当に日本はつまらない国になってしまう。その点、アメリカには霊性などというものはなく、論理だけで割り切る国です。
ハンチントンは、最初は七大文明と言っていましたが、日本がどことも違う特殊な文明なので八大文明にせざるを得なかったと言っています。この特殊さ、異常さを日本は保たなければならない。日本を普通の国にしてはいけないということです。(以下次号)