衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

活動報告及びお知らせ
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◎ 政 治 ◎ 党利党略型から共存共栄型政治に転換せよ

2008.04.03 ピックアップ

 以下の文章は、 「城内実関連文章等」でおなじみの、私が毎月連載している「耀」の4月号の原稿である。今回が最後の連載である。ご参考まで。また、近く「城内実関連文章等」に追加する。みなさまからのコメントお待ちしている。
 題名:「党利党略型から共存共栄型政治に転換せよ」
 道路特定財源問題で揮発油税(ガソリン税)の暫定税率を今年の4月以降も維持するのかそれとも廃止ないし低減するのかをめぐって与野党の攻防が続いている(3月中旬現在)。また、3月19日に任期が切れる日本銀行の総裁人事についても、武藤敏郎副総裁の昇格案を民主党が拒否しており、日銀総裁人事が頓挫したままだ。
 10年間で59兆円を道路整備に投じる道路整備中期計画に対しては、国民から厳しい批判がなされている。しかも、道路特定財源が道路とは全く無関係の職員の旅行費、ミュージカル公演費、カラオケセットなどに使われていたこともあとで分かった。ここまでくると、国民の怒りは爆発寸前である。
 また、サブプライムローンなどをめぐって世界金融市場が未だに大きく揺れているときに、日銀総裁が空席のままというようなことが果たして許されて良いのであろうか。
 こういった国内の政治情勢をみると、そろそろ新しい政界浄化の動きが起きてもおかしくないと考える。自民党は、既得権益を守るのに汲々としているし、また民主党は自民党の足を引っ張ることに腐心しているだけである。どちらも党利党略優先で見苦しい。とても国民の理解を得られているとは思えない。
 ここにきて多くの国民は日本の政党政治の限界を感じるようになった。時事通信社の三月の世論調査では、福田内閣の支持率が下がって政権誕生以来最低となり(30.6%)、自民党の支持率も先月からさらに下がった(23.0→21.8%)。特筆すべきはなんと「政権交代」を声高に叫んでいる民主党の支持率までもが下がり(15.1%→13.6%)、その反面「支持政党なし」が増加していることだ(55.9→56.5%)。これはどういうことかというと、「自民党を政権の座からひきずりおろして、とりあえず民主党に政権を任せよう」と考えている人よりも、「やはり民主党にはこわくて政権を任せられない」という人の方が多いことを物語っている。自民党、民主党を含めて国民の間に政治不信が広がっている証左だ。
 政府や政権与党「大本営」の発表によると、今の日本の経済は、「いざなぎ景気をこえる、戦後最長の景気拡大」とのことだが、株価は低迷し、個人消費は伸びず、国民一人当たりのGDPの国際順位もどんどん下がっている。彼らは一般国民や中小零細企業の経営者たちの声を聞いたことがあるのだろうか。
 なぜ日本経済はこれほどまでにだめになったのか。それは、簡単である。構造カイカク路線という、理念なき経済政策のせいである。
 私は小泉・竹中構造カイカク路線のことを、「カイカク真理教」、「カイカク原理主義」と名付けたが、構造カイカク路線は、国民を幸福にするどころか、地方を切り捨て、国民の間に格差や、年間3万人にも及ぶ自殺者を生んだ。すでにこの連載でも取り上げたように、構造カイカク路線の一部は、アメリカの要求する年次改革要望書に基づくものであった。グローバリゼーションの名の下で郵政民営化と同時に、医療制度改革や司法改革、会社法の改正(=改悪)による外資による敵対的買収が進められている。
 いったい誰のための改革なのか。たった一握りのカイカク利権屋のための改革で良いのだろうか。小泉・竹中構造カイカク路線の申し子であるライブドアの堀江貴文と村上ファンドの村上世彰の残した教訓は大きい。それは、日本の国柄を無視した、カネ儲け中心の理念なき経済政策ではだめだということを明らかにしたことである。
 先の大戦に負けたせいか、戦後の日本人はやたらと怪しい横文字に弱い。「グローバリゼーション」や「ファンド」など、本来の日本人にとっては意味不明の安っぽい概念の前に、「何かすごそうだ」とか、「時代の潮流を感じ」てしまい、「バスに乗り遅れるな」となって、知らず知らず沈みゆく船に乗っかってしまうのである。
 それでは、日本の国柄とは何か。それは、農耕民族として小さな共同体でお互いが助け合い、共存共栄することである。言い換えれば、「和の精神」を大事にし、共生を旨とする社会である。「勝ち組、負け組」ではなく一人でも多くの「しあわせ組」を作ることが本来の日本人のあるべき姿なのである。
 こうした「和の精神」は決して特殊なものではなく、むしろ紛争が絶えず、弱肉強食型の国際社会にあって日本が率先して普及すべき普遍的な価値である。現にヨーロッパでは、欧州連合の誕生により、日本のお家芸である「共存共栄」、「和の精神」が、ユーロというドルに迫る基軸通貨の発行により先取りされてしまった。
 本当に国民の目線に合った血の通った改革を行うためには、われわれのご先祖様が営々と汗と涙で築いてきたさまざまな努力の成果に思いをいたすことが大切である。それと同時に、一部の勢力の思惑にだまされないようにし、将来の日本人ひいては地球人類の「万民幸福」を実現するような大胆な改革を行うべきであろう。 政党同士が党利党略で争っている場合ではない。