衆議院議員 静岡県第7選挙区城内 実

活動報告及びお知らせ
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◎ 政 治 ◎ 平沼赳夫先生と政界再編

2008.01.04 ピックアップ

 逓信「耀」1月号の原稿を紹介する。
 タイトル:「平沼赳夫先生と政界再編」
最近やたらと新聞や雑誌、テレビなどで「平沼新党」なる言葉をみかける。「信念の男」平沼赳夫先生は「平沼新党」の旗揚げを真剣に考えておられるのだろうか。
 時期が時期だけにマスコミががぜん注目している。なぜなら、十二月中に新党を旗揚げすれば、来年一月から政党助成金がもらえる。かつての保守新党などは政党助成金をあてこんで十二月のかけこみで新党を結成したからだ。
 しかし、私が存じ上げている平沼赳夫先生は政党助成金という目先の利益で軽挙妄動をするような御仁ではない。むしろ、じっとがまんしてチャンスが巡ってくるのを待つ、徳川家康のようなタイプのお方である。
 実際十二月八日の日に平沼赳夫先生にお会いした際に、当方より「メディアや周りの方々が『平沼新党』と騒いでいるので、大変ですね。」と申し上げたら、「私は次回の衆議院選挙は無所属で出馬して刺客と正々堂々と戦って決着をつける。それから先のことはどうなるか分からない。新党構想を提唱する者もいるが、それはあくまでも選択肢の一つに過ぎない。」と否定的に述べておられた。
 平沼赳夫先生が脳梗塞で倒れてからちょうど一年経つ。実際に病名が分かったのは一月に入ってからで、あのときは本当に驚き、心配した。しかし、平沼赳夫先生ご自身の「このおかしくなった日本を真っ当な姿にもどしたい」という強い信念が天に届き、病気を克服させたのである。今では前よりもスマートになられ、顔の色つやも健康そのもの。お声もだいぶ明瞭となり、会話に全く不自由しない。
 平沼赳夫先生を中心とする本格保守政権の待望論は根強い。私のところにも、ある支援者の方から「城内実さんも早く平沼さんと一緒に新党を作って下さい」というお手紙が何度か来たことがある。
 確かに、政界再編があるとしたら、平沼赳夫先生はキーマンになるであろう。最近、中川昭一元農水大臣らを中心とする自民党内の保守系議員の勉強会の最高顧問に就任されたが、国民新党や民主党の一部の国会議員との交流も深い。党派を超えて是非日本再建のためにあらゆる勢力を結集していただきたい。
 ただ、ここでひとつ申し上げたいのは、今や「保守系対リベラル」あるいは「右翼対左翼」という単純な図式があまり意味をなさなくなっているということである。私城内実は、日本の伝統と文化を大切にしたいと考えている点では、保守主義者であるが、同時に大企業を中心とする弱肉強食型の社会ではなく、環境問題にも配慮し、中小零細企業の立場に立ち、労働者やサラリーマンの権利をしっかりと守り格差社会を是正したいと考えている点では社会主義的であり、リベラルである。
 ところで、「平沼新党」の「新」とい言葉に抵抗感を覚えるのは私だけであろうか。いかにも急場しのぎで数年後にどこかの大きな政党に合流することを前提につけたような名称である。100年、200年あるいは半永久的に存続させるくらいの気概を持った名称でなければと思う。でなければ、「○○新党」などよりも、「自民党」、「民主党」という二大政党の名称や組織を残したままで、この両党をまきこんで、「新党」という外からではなく、二大政党の懐の中に飛び込んで中からダイナミックな、国民の目線にたった政界再編を実現させることもありうるのではないか。
 先日、郵政公社元理事の稲村公望氏が私の地元浜松に応援に来られた。その際、大変おもしろい一冊の本を下さった。『自民党はなぜ潰れないのかー激動する政治の読み方』(幻冬舎新書)である。著者は、村上正邦、平野貞夫、筆坂秀世の三名である。村上正邦氏と言えば、自民党参議院議員会長として「村上天皇」とまで言われた人であるが、その後KSD事件で議員辞職。平野貞夫氏は元参議院議員で小沢一郎民主党代表の側近中の側近として活躍。筆坂秀世氏は、「共産党のナンバー4」として国会論戦をリード、その後離党。異色の三人の対談で構成されるこの著書は、大変読みやすく中身もおもしろいお勧めの一冊である。
 この『自民党はなぜ潰れないか』の中で、「弱肉強食派と共生社会派に再編せよ」という項目がある。自民党の中にも弱肉強食派と共生社会派が存在しているが、政党の対立軸をこの弱肉強食派と共生社会派にして、政界を再編すべしと書かれている。私もそのとおりだと思う。日本の国柄から言えば、アメリカのような弱肉強食型社会よりも、農耕民族の共存共栄型社会が一番合っている。他方、弱肉強食型社会を推進するような政党が存在しても良いと思う。
 平沼赳夫先生がめざしている社会も、共存共栄型、共生型の社会である。日本の伝統・文化を守り、日本人の誇りを取り戻すような教育改革などももちろん大事であるが、日本国民ひいては世界人類のために、限られた資源をどう配分するか、エネルギーや食糧の問題、地球温暖化などの環境問題をどう克服していくか、こういったグローバルな問題にも元経済産業大臣としての知見を積極的に活用していただきたい。 弱肉強食型の構造カイカク路線から、人や地球に優しい共存共栄型改革路線に転換していきたい。