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◎ 政 治 ◎ TPPに関する質問主意書

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 会期末を前に先日、TPPについて政府に質問主意書を提出した。議論がまったく見えてこない非関税障壁に関わる質問が中心である。以下に掲載したので、是非ご一読いただきたい。なお、答弁書は16日の金曜日に返ってくるとのこと。またこのブログでご紹介させていただく。
 
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TPPに関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  

平成二十三年十二月七日

           

提出者  城 内  実

 

衆議院議長 横 路 孝 弘 殿

TPPに関する質問主意書
 

 TPP交渉の参加国である米国通商代表部(USTR)のロン・カーク代表が「アメリカは雇用や成長などのためにTPPを必要としている」と述べたと報じられた(「日本経済新聞」十月二十七日)。USTRは、毎年「外国貿易障壁報告書」を公表しているが、同報告書に記載される米国にとってのわが国の「貿易障壁」は、TPP協定交渉において設けられた二十四の作業項目の多くと重なる点で、今後の交渉の展開を検討するうえではきわめて示唆に富む。
 また、わが国がTPP交渉に仮に参加したとして、わが国を含め参加する十カ国のGDPを合計したとき、日米両国でその九割以上を占める。よって、巷間TPPは実質的に「日米FTA」であるとの指摘があるが、常識的に考えても、わが国がTPPに仮に参加した場合、米国にとっての最大の関心国はわが国である。
以上の点から、今後わが国が交渉に参加した場合、USTRの報告書等でわが国の「貿易障壁」として挙げられる事項に関する米国側の要求が、参加協議においても議題になる蓋然性はきわめて高いものと考える。さらには、米国が雇用創出の手段としてTPPを重視している以上、わが国がTPPに参加することにより、わが国の市場が米国の雇用創出のための草刈り場となることを強く懸念する。こういった点は、多くの論者からすでに指摘されているところであるが、にもかかわらず、これらの懸念、そして交渉自体へのわが国政府の方針は多くの点で判然としない。
そこで以下、質問する。

 
一、 前掲「外国貿易障壁報告書」の本年版(外務省作成の仮訳版を参照した)の「医療サービス」の項目において、「厳格な規制によって、外国事業者を含む営利企業が包括的サービスを行う営利病院を提供する可能性等、医療サービス市場への外国アクセスが制限されている」との言及がある。今後の参加交渉において、営利企業がわが国における病院経営等に参画することを要求された場合、いかに政府として対応する方針であるのか示されたい。

 
二、 同じく医療サービスについて、混合診療を禁止する現行の政策について、最高裁判所が十月二十五日に適法との判断を示した。TPPは条約であるから、その条約に含まれる条項は国内法規に優越するが、十一月七日、外務省は「混合診療の全面解禁がTPPで議論される可能性は排除されない」とした。TPP交渉過程で全面解禁を求められる可能性について、認識を示されたい。

 
三、 二に関連して、わが国およびわが国国民にとって混合診療が導入されることには、新薬や先端医療を自由に利用できるようになるとのメリットが指摘されている。他方で、これらは保険適用外とされるために非常に高額になり一般国民には利用できず、結果として深刻な医療格差を生じせしめるなどデメリットのほうが遥かに大きいことが指摘されるところである。政府として、混合診療のメリットとデメリットをどう捉えているかお示しいただきたい。

 
四、 同じく本年版「外国貿易障壁報告書」において、米国は「日本郵政グループと民間セクターとの間に対等な競争条件を確立すること」をわが国に求めつつ、「対等な競争条件が確立される前に、日本郵政グループの金融機関の業務範囲拡大を日本政府が認めないよう、引き続き求める」としている。日本郵政グループの金融機関とは、株式会社ゆうちょ銀行と株式会社かんぽ生命保険を指すが、郵政改革法案においては両社(名称変更を伴う)が新規事業に参入する際の規制の緩和が織り込まれている。上記の米国の要求事項とわが国郵政改革法案における規制緩和事項とは整合しないことが明らかである。TPPは国際条約であり、憲法以外の国内法規の上位に位置づけられるが、TPPへの交渉過程において、その参加条件に郵政改革法案に定められる内容が抵触した場合、TPPへの参加を断念するのか、あるいは郵政改革法案を修正または廃案にするのか、対応について示されたい。

 
五、 四に関連して、本年の「日米経済調和対話」における米国側関心事項の「保険」の項目において、米国はわが国共済制度について、「共済と民間競合会社の間で、規制面での同一の待遇および執行を含む対等な競争条件を確保する」ことを要求している。TPP参加交渉の過程で、営利目的でない補償制度として、法人税が優遇され、かつ少ない掛け金で多い割戻金を得ることのできるわが国共済制度に対し、民間と対等の競争条件への是正ないし廃止を求められる可能性について、認識しているか。認識している場合、前述の要求を受けた場合、いかなる対応をするのか示されたい。

 
六、 野田佳彦総理大臣は、十一月十五日の参議院予算委員会において、協議の結果によってはTPPに参加しない選択肢もあるのかという旨の自由民主党の山本一太議員の質問に対して、「国益を損ねてまで交渉参加するということは、それはない」と答弁した。野田総理のいう「国益」とは具体的に何を指すのか示されたい。

 
七、 TPPは環太平洋連携協定と訳語が付されるが、「T」は“Trans”の略語である。“Trans”は本来「横断」といった意味であり、「環」という意味合いは持たない。「環太平洋」とは本来、“Pan-Pacific”の訳語として適当であると思われるが、TPPをあえて「環太平洋連携協定」と訳した理由について示されたい。

 
八、 内閣府の発表では、「TPPに参加すれば十年後の実質GDPが二.七兆円増える」とあるが、どのように計算しているのか、計算根拠となった経済指標、TPP導入にともなう日本の経済社会体制の崩壊をどのように組み込んでいるのか明示されたい。

 
 右質問する。


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コメント

  1. 三河一志 2011年12月12日 22:44:41

     国会が閉じても、365日、24時間休みなしの毎日ですね、表現のしようがございません。
     国益にそぐわなければ、即刻、席を蹴って退場する位の覚悟を持って望むかどうか、迫力を如何に示すかではないだろうか。国益の判断についても複雑な要素を含んでいることである。
     現政権の特質として、明確な方向性を示さない。これは国内では兎も角、対外的には不利にこそなれ、決して利益をもたらすとは思えない。よしんば、利益と思える結果を得ても、現今の米国の状況を鑑みれば、いつの間にか、我が国は『因幡の白ウサギ』状態?答弁書次第で、再質問書要?

  2. グリーン マン 2011年12月13日 0:31:41

     10年後のGDP2.7兆円増?こんなの全体額からしたらお話にならない数値ではないか?TPPにしろ増税にしろ、マイナス影響を考えてないとしか思えないですし、野田総理の言葉には全く真剣身も国民(庶民)目線も感じられません。この前もそうですが、城内さんの真剣な質問主意書に対し、いいかげんな答弁書には呆れました。今度もいいかげんなものなら、どこかの公の場(TV出演など)で、さらせないものでしょうか?とにかく、こんな政権は早く終わらせないといけません。頑張って下さい。

  3. ゆうた 2011年12月13日 2:10:34

    なんか、
    混合診療が保険適用外になる事を逆手に取って、
    そんな不完全な保険制度は国にやらせず民間に任せるべきだ!
    とか言い出す連中(フルブライド系?)が増えて、
    国保も民営化されて、
    M&Aされ、AI●さまの傘下に入りそうですね。

    >”Trans”は本来「横断」といった意味であり
    鋭い皮肉です。
    確かに相手は直球で狙ってきてますもんね

  4. 渋谷太郎 2011年12月13日 17:57:54

    そもそも民主党には民主党の考える国益がある。自民党には自民党の考える国益がある。だからことそれぞれの党が存在し覇権を競っている。農業が衰退しても自動車生産が繁栄すれば国益にかなうとする党もあるだろう。貧困層が広がっても富裕層がもっと富裕になれば総合的に国益にかなうとする党もあるだろう。何が国益であるかを野田の内閣に投げてしまってよいはずがない。TPPの推進、調印には国民の意思と判断を問う必要がある。

  5. A.A. 2011年12月14日 13:34:47

    結局、TPPへの参加を強く希望してるのは財界なのですよね。大企業が大きな影響力を持つのはやむを得ないですが、企業の論理だけで日本の未来を決めて大丈夫なのでしょうか?国家観のない経団連らに振り回されずに、日本のための政治が行われる事を期待します。

  6. コラム好き 2011年12月14日 13:59:56

     今日は、幾日も幾日来る日来るも本当にお疲れ様です。
    私のような、学なし、知恵なし、凡人、でも読者(ファン)になってから、少しづつ政治(統治)の事がみえるようになりました。私には、現在の政治の状況は、丁度、佐藤政権時代の沖縄問題と繊維交渉の時代が甦ってきて、その時もやんやのわんわんで、難航交渉で、そうゆ意味では、三大臣分の能力のある人が直接当たらないとはっきりいって難しいと思います。それには城内先生しかいない!
    霊性がないと無理と思います。

  7. 民衆 2011年12月14日 19:43:45

    お疲れさまです。
     一、二、三は、困ります。いや四も五、六、七、八、もわれわれ民衆には、判然としないことばっかりで向こうの有利の方が確立の度合いが高そうなことばっかり!ウイン、ウイン、ウインでなければ、ガンとして引く度量が必要だと思っています。
     いつも不景気になると向こうは、輸出ドライブをかけてくるんだから、あーもうホントに個人的には、大平内閣以前は、国民も一丸となって頑張ってきた時代だと思うが、それ以降の政権には、印象に残っていないんです。われわれの年代は、でも平沼さんや龍司さんや、城内さんがいるから大丈夫だ!

  8. 苫戸法師 2012年1月2日 16:45:19

     TPPに関しては、自国の通貨も守れない政府には口にする資格はないと思います。
     自由貿易で利益を得るのも、損失を蒙るのも為替レート次第です。これを適切に調節する機能を欠いた民主党政権、財務省、日銀の基で機能するとは思えません。
     しかし米国が目標としている産業にも問題多く、農業、金融、保険、医療など問題だらけです。
     日本の経済発展にブラ下がり、生産性向上をせず、新規参入を妨げてぬくぬくとしてきた寄生虫ともいうべき存在も何とかしてくれないと考えるひとも多いことを知るべきです。

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