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松岡利勝農水大臣の死

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 松岡利勝農水大臣の自殺の第一報を聞いたとき、「まさか!」という驚きよりも「ああやはりこういう形でけじめをつけたのだな」と直感した。
 私は現職の衆議院議員の時、自民党の農林水産部会に積極的に出席し、農林水産委員会の委員であった。日本をまっとうな国にするためには他の先進国と同様に農林水産業という第一次産業を立て直すことが不可欠と考えているからである。
 外務省出身の私は、世界に通用する日本の高級な農産物をいかに外国に売り込み、担い手のやる気を起こさせるかいわゆる「攻めの農政」についていくつか松岡先生に提言させていただいた。農政の細かな点で松岡先生とは意見を異にしていたが、豊かな国土と自然を守るためにも日本の農業を振興していかなければ、日本が日本でなくなるという点では認識が一致していた。
 松岡大臣は一般的にはこわもての印象があるが、お会いすると結構シャイで気さくで神経が細やかな方であった。私のような一年生議員にもきちんと対応された。
 WTOの農業交渉の全ての経緯を農水官僚以上に熟知している国会議員であった。ある意味で日本の国益を必死に守っておられた。それがある時から郵政民営化法案という日本国民の暮らしや安全、幸せのために使うべき貴重な資産を外資に売り飛ばす史上最悪の悪法に賛成するようになった。どのような経緯で転向されたのか不思議でならなかった。
 また残念に思うのは事務所経費の問題に関し最後まで国民にきちん説明しないまま他界されたことである。同じ大臣でありながら、佐田玄一郎大臣は事務所経費問題で昨年末に辞任したのに、なぜ全く同じ問題にもかかわらず松岡利勝大臣は辞任しなかったのか。参議院選挙が目前にあるからか。
 松岡大臣は緑資源機構のからみでおそらく時分が逮捕されることを確信し、覚悟していたのであろう。その証拠に熊本の地元に戻り身辺整理をされていたと言う。
 しかし、不思議なのは安倍総理が「『緑資源機構』に関して捜査当局が松岡大臣や関係者の取り調べを行ったという事実もないし、これから取り調べを行う予定もない。」と断言したことである。もし仮に取り調べを行う予定がない(=逮捕しない)のであれば自殺する必要がないのではないか。
 なぜ松岡大臣は閣僚を辞任せずに、閣僚のまま自らの命を絶ったのか。これらの疑問は闇から闇と葬られるのだろうか。
 松岡利勝大臣のご冥福をお祈り申し上げる。
                           5月30日(水)
 
 
 


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